確定申告の家内労働者特例とは

確定申告の家内労働者特例

確定申告の家内労働者特例とは、確定申告における事業所得又は雑所得の必要経費として認められている55万円までの特例控除のことです。

家内労働者特例が設けられた理由

ズバリ、給与所得者との不公平の解消のためです。
給与所得者は、最低でも55万円までの控除が認められていますが、ヤクルトレディなどの訪問販売や生命保険の勧誘などのセールスレディは、事業所得・雑所得とみなされ、この制度ができるまでは定額の必要経費が設けられていませんでした。これらの業務は収入が少ないために給与所得者などと比べてとても不公平であったため、これを解消するために家内労働者特例が設けられたのです。

家内労働者特例が対象になる事業

1 家内労働法に規定される家内労働者
2 外交員、集金人、電力量計の検針人
3 乳酸菌飲料の訪問販売員など特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とするもの
4 シルバー人材センターの業務に従事す者
※ Webデザイナー、web ライター、アフィリエイターなども形態によって該当する可能性があります。

家内労働者特例の計算方法

家内労働者特例の計算方法は国税庁のホームページに掲載されていますので、わかりやすい様式部分のみ下記に作成してみましたのでご活用ください。

事業所得  総収入金額
特例適用前の必要経費の額
雑所得  総収入金額( 公的年金等に関わるものを除きます)
給与所得の収入金額
55万円 - ②-④
55万円 - ③-④
特例適用後の必要経費の額 事業所得 ③ がない場合  ①と⑥とのいずれか 少ない方の金額
③が④より多い場合
③が⑤より多い場合  ②の金額
雑所得  ②と⑤とのいずれか 少ない方の金額
計算例

農業収入100万円、必要経費 50万円、 シルバー人材センターからの配分金 35万円の場合の計算は下記のとおりです。

事業所得  総収入金額 1,000,000円
特例適用前の必要経費の額  500,000円
雑所得  総収入金額( 公的年金等に関わるものを除きます)  350,000円
給与所得の収入金額 0
55万円 - ②-④ 50,000円
55万円 - ③-④  200,000円
特例適用後の必要経費の額 事業所得 ③ がない場合  ①と⑥とのいずれか 少ない方の金額  200,000円
③が④より多い場合
③が⑤より多い場合  ②の金額  500,000円
雑所得  ②と⑤とのいずれか 少ない方の金額 50,000円

上記の場合は、家内労働者特例経費として⑨の50,000円が控除として認められます。